おみまいパーティー

  公営住宅での演説会場。お立ち台の横が公園だった。
 子ども達がしゃがみ込んで遊んでいる。
「今からおみまいパーティーすんでぇ」 という声が聞こえてきた。 なにやらむしってきた雑草を集めている。候補者の話が始まったころ、ビラをもってた私に子どもが寄ってきた。
「これ、なに?」
「うーん、難しいこと書いてるからわからへんやろなぁ。 それよか、お見舞いパーティーってなに?」と逆に尋ねた。するとうれしそうに親分肌の女の子がやってきて、
「あんな、クワガタが死んでな、お祈りしてんねん」
 それは「お見舞い」ではなく「お葬式」です。
「お見合いパーティー」と聞き違えているのだろうか。 訂正してあげたかったが、選挙活動に響いてもアカンし、「そーなんやぁ」と答えた。
 それから「ウリヤッ!トリャッ!」と3人に囲まれ攻撃された。そうかと思えば 「なぁなぁ、クワガタ触れる?」 「おばちゃんシャボン玉好き?」 といろいろ宝物見せてくれる。
 それにしても横でこんなにべちゃくちゃやられたら候補者はしゃべりにくかったやろなぁ。

 

ひもじい

  事務所で宛名書きをしているときのこと。
 手伝いに来ていたおじいさんが戦争体験談を話し出した。
「ワシら少年航空兵やった。あの時代の人間やし、 食べるもんにはいじきたないんや」 すると大学生の男の子が興味を示した。
「あの、ひもじいってどんな感じですか?」
 そこから説明せなアカンかぁ〜。

 

「平和」が窓口

  事務所には若い子が多くて驚いた。手伝いに来ている大学生と話をする。
「なんでこーゆーことしてるの?」
「だって憲法9条が変えられたら・・・」
若い子には「平和」が窓口になるようだ。
 わたしなんか、社会保障とか介護とかで、平和は2番手、3番手だな。世代によって問題意識の比重が変わるのだろう。
 純粋に「平和」と言葉にできる若い人に やっぱり期待してしまう。

 

オヤジ論争

  8月中旬、政治塾の合宿に参加した。女性は主催者のおばちゃんと私だけ。全部で15人くらいだったか。
 びっくりするのはオヤジの時代錯誤加減。
「新自由主義のブッシュはけしからん」とかいってたオヤジが
「少子化に歯止めをかけるためには動物学的にも一夫多妻制度にしたらどうか」と真剣に話す。ずっとしたためていた考えだそうだ。おばさんに
「動物学的にはオスは選ばれるためにすごく努力をしないと いけないのよ」と言われてた。 わたしもムッとして、
「自分のお嬢さんにその話言える?」 と尋ねた。オヤジはしょんぼり、だけど釈然としない顔をしていた。
「男だって差別されている。自殺者のほとんどは 男だ。それだけ男がしんどい思いをしている。女はといったら、集まって高級ランチをダンナの働いた金で食べて遊んでいる。ワシは500円の定食なのに。それに男は赤紙一枚で戦争に行かされた。」と言う。
 精神構造がオヤジのわたしでさえ、あきれた。
「赤紙一枚っていうけど、女性には選挙権がなかった。男が決めて、男が進めた戦争ちゃうの」と反論した。
 後押しした女も罪なんだけどね。