ビラを配っていると、必ず、配られた人を追いかけ なにやら耳打ちをする人がいる。 たぶん候補者の悪口を言って回っているのだろう。
　昨日も候補者の演説中ビラを配った。作業員のオッチャンに渡したら、ヘヘヘと照れ笑いで 受け取ってくれた。するとそのあと、例によって見知らぬおばさんが、そのオッチャンに近づいた。
「あの人（候補者）がなにした人か知ってる？」 。するとオッチャンは
「ソーリ、ソーリ、のネエチャンやろ？」と答えた。
　オッチャン、ナイスリターン！

　 朝、新聞のぶっとい見出しとコイズミさんの写真を 見たら気が重くなった。
　世の中に漂う不安が、わかりやすいコイズミを選んだというけど、 この結果が不安でならない。
　ってなことを知人にメール書いてる途中、急にお腹が痛くなった。
　トイレに駆け込むと、久しぶりに下痢（すんません）を してしまった。
　 「コイズミ圧勝で下す」というタイトルが浮かんだ。

　コイズミ圧勝のニュースで腹を下した後、ゴミの収集日だったことを思い出し、回収場所へ行った。
　帰りに団地の掲示板をなんとなく眺めると、真新しい 「自衛官募集」のポスターが貼られている。「自衛官」のポスターは町中では見かけるが、団地内では珍しい。
　うーん、朝からダブルパンチだァ〜。

　 おい、お前。いい加減目さませ。 お前はあのオトコがどーゆーヤツかわかってるんだろうな？
　アイツはお前からカネを巻き上げるばかりで、なにひとつお前のことを考えてくれねぇじゃないか。アイツは口を開けば「必ず幸せにします」ばかりで、ほかになんにも言えないじゃねぇか。
　前の奥さんを身重の時に追い出したことだって、情け容赦のないオトコだと思わねぇか？ それだけじゃねぇ。巷じゃアイツのせいで、なんにんも自殺したって、有名な話じゃないか。 そんなオトコにすべて捧げちまっていいのかい。
　一体あんなオトコのどこがそんなにいいんだい？ ２世だか３世だか知らねぇけど、そんなボンボン、お前なんか相手にしてくれるワケねぇんだよ。いいから早くあきらめな。早くあのオトコの正体を知って、次にいい人見つけるんだな。
　えっ！？晋サンがいい、ってかい？アイス食べてる姿がかわいい？
　お前、ほんとうにオトコ見る目ねぇなぁ〜……。
　悪いオトコにだまされる娘のお父ちゃんの気持ちになってしまった

　 ＴＧさんからまたもやお叱りを受ける。
　 「言っとくケド、オレ、ちゃんとてっぺんもあるんだから！」
と、私に向かって頭頂部を撫でながら見せる。
　一瞬なにか見てはいけないものを見てしまった気がして、つい、話題をそらしてしまった。
　ＴＧさんはどうやって自分の頭のてっぺんを観察してるのだろう。
　酸性雨で立ち枯れた自然林を思い起こさせ、心が痛んだ。