夕飯の支度をしていると新聞の勧誘が来た。
ここらは公明党のポスターと産経新聞の販売店ばかり目に付く地域なのだ。
インターホン越しに断ってから聞き覚えのある声や、と思い出した。ちょっと前、郵便受けで見かけた配達のおじさんのことを。なんか独特の雰囲気のある人だった。毎日新聞なら取ってあげようと思ったので
「おじさんなに新聞の人?」と聞いたら
「産経や。どう?とってみいひん?ええ新聞やで」 と売り込む。目つきがぎらぎらして印象的だ。 その勢いに引いてしまい
「産経かぁ。うーん、今はええわ」 とその時は断った。そのおじさんをちょっと立ててあげたくなったのと、あとはやっぱり今あえて産経を読んでみようと思い直し、追いかけていって呼び止めた。契約書を渡され住所名前を書く。最後におじさんは
「好きな男性のタイプも書いてな」と大阪人らしくひとこと多い。(5月)