おっとこまえやなぁ

  スーパーに買い物に行く。
  子どもをカートに乗せた若いお母さんにおばあさんが話しかけている。
「あらぁ〜、かわいらしい。ええかっこにしてもろうてぇ。 おっとこまえやなぁ〜…」と男の子の頭を クリクリとなで回している。
 男の子は「トラ刈り」。ギザギザに剃り込まれた跡が まだ青々としている。お母さんの趣味らしく、 まんざらでもなさそうな様子だった。男の子も たぶんあちこちで「誉められて」いるのだろう。 誇らしげに微笑んでいた。
 ちなみにこのスーパー、レジ横の掲示板にはセリーグの順位表が貼ってある。

 

天神まつり

  7月17日は地区のお祭り、25日は天神祭、8月はお盆の祭り と祭り続き。
  いつもは殺風景な大通りだけど、神社が提灯出したり、 露店が並んだりとタイムスリップしたみたいになる。
  夕方バス停で浴衣姿の親子を見かけた。
 今日はどこの祭りや?と思ったら、天神祭だった。
  しまったぁ〜!!こんなに近くに住んでるのに見に行くの忘れた!!

 

おばあさんは経験豊富

  横断歩道で信号待ちをしてた時、通りすがりのおばあさんと
「暑いですねぇ」なんてあいさつを交わした。 おばあさんは私が担いでいるバイオリンを見て、
「お稽古?ええねぇ、若い人はいろいろ習い事が出来て」 と目を細める。70代の上品そうなおばあさんだ。
「わたしらのころは戦争でそれどころやなかったからなぁ」 と穏やかに言う。
「勤労奉仕とか行ってたんですか?」
「いーや、わたしは簿記習うてたから勤労は行かんですんで、 事務をやっとった。勤労行っとったらそらたいへんやったわ」
 終戦を大阪で迎えたそうだ。おばあさんは別れ際に
「経験豊富やで」とニヤリと笑った。

 

関西人のブランド感覚

  商店街で1枚1000円の婦人物のTシャツが目にとまった。
 薄手で肌触りが良さそうだったので母にいいかな、と思ってたら、店のオバチャンはすかさず
「おねえちゃん、これえーで。綿ヒャク(綿100%)やし。 触ってみ。肌触りえーやろ?日本製やし、?番双糸(細番手の糸) やし、高級品やで」
 ウチの母や祖母にも言えたことだが、関西人は「綿ヒャク」に弱い気がする。
「毛(ェ)ヒャク」(毛100%)もそうだが。
 「メーカー品」「舶来品」という言葉も健在だ。