神戸から別府行きのフェリーに乗る。 今まではこのフェリーは介護帰省の足であって、
あまり晴れやかな気持ちで乗ったことはなかった。今回は純粋に船旅を楽しめる。同じ時間に出る同じ船なのにこうも変わるもんやな。
朝、松山港着。何度も往復したのにデッキから港の景色を見るのは初めてだ。今までは船底の車庫で港に着くのを待っていたから景色を見たことがなかったのだ。
朝の港の景色は美しい。 雨に洗われ緑が鮮やかだ。ああ、この匂い。みかんの花の匂いだ。そーか。もう5月だもんな。
雨雲が西から流れてくる。山の向こうに雲がたれ込めている。あのあたりにはニシオカ先生がいるんや。あっちの山のあたりにはナカノが住んでいる。
いつもの港で降りずに、だれにも告げずに別府へむかう。
ヘンな感じだ。(5/5)