障害者自立支援法

  障害者自立支援法が可決した。
 障害者に利用料を負担させることを望む人などいるのだろうか。ここから取るくらいなら他を削れ、と思う人がほとんどではないだろうか。
 なのにまだやるか?と言わんばかりに、駅前再開発や地域再生計画など 大型公共事業は減らない。国が補助金を出して後押しするのだから、 お金があるんだかないんだかわからない。自治体もちょっとばっかしお金が入る からといって、乗っからないでほしいと思う。
  「小さな政府」というと、なんかチンタラした役所の機能が効率的になるようなイメージだけど、実態は「自治体サービス」を減らすことにあると思う。 フツウの人が考える「官のムダ」と国が考える「官のムダ」は どうやら違うらしい。障害者自立支援法の成立の過程を見て思った。
 それにしても、この「小さな政府」といい、小泉首相の「アジア重視です」といいつつの靖国参拝、雇用形態の柔軟化、教育現場での「多様化」・・・。
 最近、言葉そのまんまに受け止められないことが多すぎるヨ・・・。

 

南西楽園に暮らす

  宮古島へ2泊3日の旅。往復航空運賃より安かったので珍しく「ツアー」に申し込んだ。
 セットになっていたのはリゾートホテル。ゴロー的には民宿がよかったのだろうが。 ホテルは海に面していて波の音が聞こえる。外国のようだ。
 2棟のうち、ひとつは分譲リゾートマンション。 わたしたちの泊まっている部屋にもチラシが入っていた。「好評分譲中」「交通至便」「公共機関の充実」の字が並ぶ。
 「好評分譲中」のわりに、人っけが無い。 「交通至便」の下には「東京から飛行機で3時間」、 「公共機関」には「役場」・「ドクターゴン診療所」とある。
 「役場」はともかく、「ドクターゴン診療所」って大丈夫なんか? 漫画やドラマじゃあるまいし。いや、ほんとはすごく名医なのかもしれないけど。
 ダメ押しのように「言葉の壁がない」というセールストークが書いてあった。
  「飛行機で3時間?言葉の壁が無いって・・・。それって便利なんか?」と私が首をかしげていると、
「海外リゾートなんかと比べて、 という話やろ?」と、ゴロー。 少々痛い目にあっても無神経でいられるお金持ちにはもってこいの物件だ。
 2日目。カヌー・シュノーケルツアーに出かける。 集合場所にはもう一組の若い美男美女カップル。 同じウエットスーツを着て並ぶのがツライ。
 オオチャンという地元のおじさんがガイド。 真っ黒に日に焼けて、いかつそうなのに、シャイで遠慮深く なんかカワイイおじさんだ。
 わたしたちがシュノーケルで魚を見ている間に、オオチャンは イカスミの焼きそばをお昼ご飯に作ってくれた。薄味のヘルシーな味付けでおいしかった。
 この日は新月だったので、ふだんは海面に入り口が隠れている鍾乳洞に干潮を狙って探索する。中は意外に広くてどんどん上に、奥に入っていく。戦争中、この鍾乳洞の中で部落の人が300人ほど隠れて生活していたという。 オオチャンは魚のこと、島のこと、戦争のこと、なんでもよく知っていた。
 ツアーが終わって「オオチャンは何歳ですか?」と聞くと、 「40歳」と返ってきた。
 ええ?!50歳台やと思ってた。いやもし、50歳と言われたら、若く見えますね、と答えようと思っていた。 リアクションを用意しておらず、会話は尻切れトンボになってしまった。
 オオチャンは若いスタッフにもオオチャンと呼ばれていた。 絶対いい人なのだと思う。

 

サーファーになれない

  ダイビングショップのお兄さんにゴローが話しかけた。
「お兄さんは沖縄の方ですか?」
「いえ、東京っス」
「サーフィンするためにあそこで働いてるんですか?」
「いえ、ダイビングっス。宮古は海が一番キレイっスから」
  なんかかっこえーよなぁ。ホテルに着いてゴローに問うた。
「お兄さんどこから来たんですか?」
「埼玉っス」
「島の民族かなんか調べに来たんですか?」
「いえ、サーフィンっス!」
ぜんぜん似合わないんだヨ!!

 

スッチーになれない

  わたしは飛行機に乗るとき、ちゃんとスチュワデスさんの 説明を聞いてあげることにしている。
 ライフジャケットや酸素ボンベ(?)や非常口の説明しながら、きっと心の中では
「ちゃんと人の説明聞かんかいっ!飛行機落ちても知らんど! イチャイチャすんなコラッ!」と思っているのではないか。少なくとも私ならそう思うのだ。
 着陸後、ベルト着用のサインが消える前に 「カチャッ、カチャッ」とベルトをはずす音が聞こえたり、 さっさと荷物を下ろし出口に向かう乗客を見れば、
「オマエらせっかちかっ!!さすが関西便やわ!」とツッコミを入れてしまうにちがいないのだ。 度量の狭い私はフライトアテンダントに向かない。