NBセンセイの奥さんが入っている高齢者施設の理事Yさんのあいさつ。
移動する車の中で、センセイは奥さんに寄り添い、頬を寄せて 歌を歌ってあげていたという。
夫婦の絆、というかセンセイの愛情の深さがうかがえる。
運転していたYさんはその様子をミラー越しに見ていたというせつない話だ。
みんながその様子を思い浮かべしんみりしているそのときだった。
♪チャンチャン、チャカチャカチャン、チャカチャカチャンッ! ウ〜〜ッ、ハァ〜ッッ!!
突然、携帯電話の着メロ(しかもマンボ)が鳴り響いた。
だけどそこはさすが、リベラル人権派のYさん。気を取られることもなく淡々と話を続ける。
早く着メロを止めてくれ、と私は祈るような気持ちでいた。でないと、せっかくのええハナシが台無しになる。しかし、持ち主が気づくのが遅く、
マンボは
♪チャッチャチャラッチャ、チャッチャチャラッチャ・・・
しばらく鳴り続けた。
このYさんとの会話。
Yさんの運営する施設は、年金でなんとか入れる値段を設定して、厳しい資金繰りのなか、まさに経営努力で質の良いサービスを目指している。
「ダンナさんはちゃんとお仕事行ってるの?」と私にゴローのことを尋ねてきた。
「Yさんから言ってやってくださいヨ。年金無いとYさんのグループホームも入れないよ、って」
するとYさんは
「そりゃ私もムリだ」
と朗らかに笑った。
やっぱ老人寮しかないか・・・。