妹、弟クンにありがちなように、私もとにかく
「お姉ちゃんと同じ」がよかった。
昔、「夕日が丘の総理大臣」というドラマがあり、藤谷美和子(プッツンする前)がデニムのオーバーオール を着ていて高校生の間で流行った。
姉も津田沼のイトーヨーカドーで買ってきた。
うらやましくて母に 「わたしもジーンズ欲しい!」とねだった。
母は「よっしゃ。」と張り切って、わざわざバスに乗って 八千代台の「扇屋」(のちのジャスコ) に連れて行ってくれた。
そこで待っていたのは、お姉ちゃんのとは似てもにつかない、すそにバラの刺繍の入ったウエストゴムのベルボトムの、のびのびジーンズだった。
(ストレッチの入ったブーツカット、といえば今風だが)
「えーやん、お腹のゴムもきつくないし。 生地もよう伸びて動きやすいし」と母は私のとまどいも意に介さない様子だった。
学校に着ていったら案の定、
「レイザルがズボンはいてる!」
と冷やかされ、結局一回はいただけだった。
「なんでアカンの?せっかく買うたのに」 と母は不満げだった。