トロツキスト

  前に「ウヨクの人は自分を右と認めない」と書いた。
 飲み屋で3人の原発反対オジサンに会った。
「オジサン、サヨク?」と聞いたら身を乗り出して、
「私はね・・・」と、くどくど遠回しにゴマかした。
もうひとりのオジサンは
「私はちょうど60年安保の真っ最中で・・・」
そのころはみんなそうだった、みたいな 話し方だった。
 一番年配の70代の店長に 「トロツキスト?」と冗談まじりに指さしたら、
「アンタよくそんな言葉知っとるな」と、一瞬ギョッとしたかと思うと、
目を閉じて、静かに宙を仰ぎ、
「ほうよ。わしゃぁ、トロツキストじゃ」とつぶやいた。
 シ、シブイ。

 

オルグリオルグレ

  職場に生命保険の勧誘のオバチャンが来た。
 景品が当たるキャンペーンに申し込めますよ、と 言われるままに名前や生年月日を用紙に記入した。
 断れない雰囲気に弱い私。
 でもみんなは「もう他のにはいってます」とつれない。
 おばちゃんが帰った後、
「保険ってどんどん必要に思えてくるよね。 特約とか読んでると、これも入らなくちゃと思ってしまう」
 と誰かが言ってみんなでうなづいた。
「社会保障費を国が負担しない アメリカ型の社会を目指してるんやろね。 これから自己責任で、ますます医療保険なんかが 売れるんやろね」
 と私が言うと
「そんなんやったら空港や道路なんか作らんと そっちにお金使ってほしいワ。 そのために税金払ってるのに」と返ってきた。
 お、いいぞ、いいぞ。職場でオルグれ!

 

愛読書

  「レイザルさんって、休みの日なにしてるの?」
「ファミレスで飲み物のお代わりしながら、 甘いものつまんで、本読むのが一番のぜいたく」
「へぇ、どんな本?」
 どんな本?と聞かれて慌てて
「ダ、ダビンチコード!」と答えた。
「日本海海戦とメディア」とはさすがに言えなんだ・・・。

 

ネオナチ

  今日もヒマな職場。
 一番年長の人がアクビしながら
「あ〜、どっか旅行行きたいなぁ〜!」
「どこ行きたいですか?」
「ん〜・・・、ドイツ!サッカー観に行きたい!!」
 他の人が口を挟む。
「でもドイツ、今治安悪いらしいですよ。ホラ なんて言ったっけ。ボーズ頭の・・・」
「ネオナチ?」と私。
「そうそう、ネオナチ! ネオナチってさぁ……」
 コワイよね、と続くんだろうなと思ったら、
「……カッコイイよね。 だって向こうの人って、 アタマのカタチがいいんだもん」
「だよねぇ〜。ホントどんな髪型でも サマになるよねぇ」
 ガクッ!!