石見銀山1

   9月上旬、世界遺産候補地の石見銀山へ。
 銀山の集落は整備されすぎていて、生活感が感じられなかったのが残念。
「ロハス」っぽいカフェもできていた。
 それにしても、「石見の銀が江戸幕府の財政を支えた」 なんて看板を読んでると、今もあんまり変わらへんなぁ、100年後の東京では六本木ヒルズが世界遺産になってるんちゃうか……
 などと複雑な気分になってくる。(つづく)

 

石見銀山2 温泉津温泉

   銀山街道と呼ばれる積み出し港のそばの温泉津温泉に泊まる。
 ところどころに見られる簡素な小屋は湯治宿だ。
 元湯温泉は「座り」「ぬるめ」「熱め」の3つの浴槽がある。
3つといっても10人も入ればいっぱいになってしまうほど。
 シャワーがないので、どうやって風呂に入ればいいのか地元のオバサンに聞く。
「わたしもここの人に聞いたんだけど、 まずとにかくたくさん体にお湯をかけてから湯船に入る。 掛かり湯は人があまり入らない熱めの湯を水で薄めてあびる」
 のだそうだ。
 たくさんお湯を掛けるのは、体のためでもあるけど、体の汚れを流し、湯の汚れを防ぐためという。
 すべすべした石の湯船の感触がなんとも心地よく、
「いい温泉ですね」とオバサンに言うと、
 オバサンはにっこり笑顔を返してくれた。
 私が体を洗っている間は邪魔にならないようにさりげなく湯船に入る地元のオバサン。
 これが道後温泉なら
「そらそーやわい。道後の湯が一番じゃ。観光客はなーんもわかっとらん!」
 と一瞥されるのがオチだろう。
 温泉にはシャワーがないため、おばあさんは2つの洗面器を使って洗髪する。
 新しいお湯をくむのもアクロバチックに浴槽の縁を平均台よろしく伝っていく。
 バリアフリーなんてあまっちょろいゼ。

 

パラマウントのリストラ

  介護ベッド国内シェア1位のパラマウントベッドが 9月末で社員を100人解雇する、という新聞記事を読んだ。
 10月から始まる制度改革で介護ベッドのレンタルサービス がなくなり、売り上げが落ちるからだそうだ。
 制度やマンパワーが圧倒的に不足している中で、せめて質の良い介護用品に頼ることが救いだった。
「30万円くらいのベッドくらい 借りられないなら買えばいいじゃないか」
 と思うような人たちが制度をつくってるんやろな。

 

フラガール

  映画「フラガール」を観る。
 炭坑の街のにぎわいって、こんなだったんだぁ。
 炭坑の閉鎖は1976年。
 「産業構造の変化」って、簡単にすませてたけど、 つい最近までこんな暮らしがあったんやなぁ。
 自分がそのころ過ごした時間を思い浮かべ、その落差にドキリとした。